真・MFC千夜一夜物語 第301話 MFCとは不思議な存在 その1

2019年12月17日

マスフローコントローラ(MFC)というアイテムは、非常にユニークな存在です。
分類するなら質量流量計・・・いや、それはマスフローメーター(MFM)のことです。


"質量流量制御器"という呼称が正しいかと思いますが、あまりなじみのない表現ですね。
MFCの構成は以下の図を参照ください。

流量センサーから出力された信号を、増幅、温度や直線性補正をかけた信号を流量出力(PV)とします。
これをそのまま外部へ送るのならMFMですが、MFCの場合は異なります。
次に調整計が待ち受けています。
調整計は外部からの流量設定信号(SV)とPVを①比較します。
そして②偏差を判断します。
その後、下流に位置する流量制御バルブを③操作します。
この操作は流量制御バルブに対する、バルブ制御信号(MV)の可変で行われます。
アクチュエーター方式にもよりますが、アクチュエーターを伸縮させることで、流路にあるオリフィスの開度を可変させ、オリフィス部で発生する圧力損失を変化させることで流量を制御するのです。

第301話という事で久しぶりに、MFCの制御とは?というお話から始めさせていただきました。

「なんだ、そんな話は知ってるよ!」
「Decoさんの講演で聞いたよ!」
「もっと最新のPI-MFCとかを取り上げてよ!」

と、おっしゃる読者の方々もおいででしょうが、実はこの構造こそが、MFCの最大の特長であり、最大の難点でもあるのです。
コンバージョンファクターと並び、MFCの未来を左右する大きな二大要素です。
このお話の先にはまず「PI-MFC不要論」という最新の流行を否定する話や、「そもそもMFCすら不要」という恐ろしい結論が待ち構えている可能性もありまして・・・そうなるとDecoもマスフローマイスターを廃業することになりかねませんね!
簡単なお話に見えて、かなり深くて怖いお話です。
2020年はここを突き詰めて参りましょう!

少し早いのですが、11月に逝った父親の四十九日を控え、実家と行き来しますので、年内のブログ更新は今回で最後にさせて頂こうと思います。
年明け1/7(火)からの連載再開をお楽しみに!


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan