MASS-STREAMTM 

インサーションタイプ熱式センサーの利点


熱式流量センサーのオリジンは熱線式風速計にあります。
そのキングの定理を流路内で再現して、流量計としたのがMASS-STREAMの採用しているインサーションタイプ熱式流量センサーです。
この方式は、開発された当初のアナログ技術では直線性に難があり、その後開発された分流式巻線タイプ熱式センサーに取って代わられます。

ですが、直線性を向上させるために全量測定を捨て、分流構造とした事で新たな弱点が生じます。

分流構造は低流量からフルスケールまでセンサーと層流素子との分流比が一定になるように設計されていますが、異物が混入すると初期の分流比が崩れてしまい正確な流量測定ができなくなってしまいます。恐ろしいのは「流量出力値は変わっていないのに、ある日から100SCCMと表示していたのに80SCCMしか実際は流れていない!」というようなトラブルが生じることです。
また、分流構造をとるために細いセンサー管へある比率で流量を流し込む必要から、掃流素子の手前=分岐点にわざと圧力損失を設けないといけません。この為、極低差圧仕様のマスフローメーターを作りにくい構造になってします。

また、近年、大気圧以下のSA(Sub-Atmospheric pressure )雰囲気、いわゆる減圧下でも、分流比が崩れる現象も確認されており、エアサンプラーでの低圧損空気流量測定に用いるのが難しいことがわかってきました。

MASS-STREAMは、インサーションタイプの弱点であった直線性の悪さを、最新のデジタル補正技術を用いて直線性を向上させています。
上図にあるように、曲がりを補正してJCSS流量標準トランスファーとの器差を±1.5%R(読値)以内に納めています。

また、センサー自体もSUSのシース管で保護していますので、NH3、HClのような腐食性ガスにも対応できるのです。