MASS-STREAMTM

アンモニアを低圧力損失で大流量制御できるマスフロー!

アンモニア(NH3)ガスは可燃、有毒ガスですが、各種用途で使用されています。
窒化炉、発電設備、脱硝装置、石油精製装置の防食、イオンエッチングプロセスなどがあげられます。
アンモニアは20℃での蒸気圧は0.857MPaの液化ガスです。
液化ガスと通常ガスとの差は字のごとく液化ガスボンベには圧縮した液体と化したアンモニアが封入されていて、それがボンベ内で気化したガスを供給する仕組みなのです。 (下図参照)

つまりボンベに充填された液体アンモニアがボンベ内で気化して得られる圧力は、常温で0.8MPaあればいいところだということなのです。しかも液体アンモニアの蒸発潜熱は1268 KJ/Kg(0℃、1013hPa)も必要になります。
その為、大流量をボンベから払い出そうとすると、ボンベが冷えてしまい急激にガスの供給能力を失ってしまいます。

例えばアンモニアをMFC下流側に0.2MPaの背圧が立つ条件で500L/min[N]流量制御したい場合、通常のMFCですと最低でもMFCへの供給圧は0.5MPa程の圧力をとってやる必要があります。

つまりMFCでのΔPは0.3MPa必要になるのです。
これはあくまでMFCの直近の入口出口の差圧ですから、他の配管系部品バルブやフィルター、配管の曲がり等の圧力損失を考慮すると、アンモニアボンベからの供給圧はもっと上げなくてはならなくなってしまいます。

アンモニアの供給圧を上げる=蒸気圧を稼ぐ訳ですから、手っ取り早い話、温度を上げればいいのですが、ボンベを火や電気で直接温めることは法律で禁じられていますので、湯煎しか方法はありません。
これは設備的にも大変ですね。  

これがMASS-STREAM D-6371 ですと、なんと上流圧は0.2386MPa ΔPはわずか0.0386MPa=38.6kPaで流量制御できてしまうのです。
なぜこのMFCはこんなに低圧損で大流量制御が可能なのでしょう?
それは流量センサー構造の差です。

従来のマスフローの多くが上図にある分流構造をとっています。
この方式では流れる流体の一部(数mL/min程度)をセンサー側に流して測定し、残りほとんどを分流素子(バイパス)に流しています。
その為センサーと層流素子の分岐部分に抵抗=圧力損失を設けてやってセンサー管へ流体が流れる構造にしなくてはいけませんでした。
また層流素子自体の抵抗も大きいために大流量になればなるほど、ある程度の圧損はやむを得なかったのです。

ところがMASS-STREAMのセンサーはインサーションタイプで分流のない全量計測です。。
整流の為のフィルターは入っていますが、分流構造のマスフローと比較すれば圧倒的に小さな抵抗で流体を流すことができるのですね。
これが大きな秘密なのです。