真・MFC千夜一夜物語 第538夜 高圧でのアプリケーション その4
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
高圧での流体制御アプリケーションに関してお話ししましょう。
前夜の説明「例え差圧は同じだけ取れていても、二次圧が大気圧以上になる条件で一次圧をその分上げて使用する場合は、流量制御不良、制御バルブの出流れによる低設定域の制御不良等の問題が生じる可能性もあります。」に関して、バルブ構造を交えて解説します。

注)本ブログで使用する圧力値は、特記なき限りゲージ圧です。絶対圧に関しては末尾に(A)をつけて表記しています。
実際にアクチュエーターが受ける圧力はどうなっているのか?によって、この問題は左右されます。
図で仮に1次圧:0.7MPa、2次圧:0.4MPaの差圧:0.3MPa条件に置かれたバルブタイプが異なる2種を例に説明します。(本図はあくまで観念的なものであり、特定メーカーの製品構造を説明したものではありません。)
現行MFCのバルブ構造には大きく分類すると2つあります。
図中のAは、ソレノイドアクチュエータータイプのMFCでよく見られます。
このタイプのバルブ形式はポペットバルブという電磁弁としてはオーソドックスなもので、差圧を生むオリフィスの上流側にガスに接してアクチュエーターが存在しています。
その為、一次圧が高くなったとしても、二次圧もその分高くなり、アクチュエーターが受ける圧力は一次圧―二次圧となり差圧は変わりません。
ところがBになると、その辺りの構造が異なってきます。
オリフィスの下流にダイヤフラムに仕切られたアクチュエーターがあるバルブ構造です。
アクチュエーターは、常にダイヤフラムに仕切られて大気圧雰囲気に存在しているので、二次圧がどれだけになろうと関係なく、単純に一次圧と大気圧の差がアクチュエーターの受ける圧力となってしまいます。
図の例ではAではアクチュエーターが相対する圧力は0.3MPaに対して、Bでは同じ圧力条件でも0.7MPaかかってしまっています。
アクチュエーターにとって正面切って戦わなければいけない圧力が、入口圧の変動により実際にこれだけ変わってくると、制御は厳しくなります。
表面上MFCにとっての差圧条件は同じでも、実際の入口、出口の圧力条件によって制御動作に差が生まれるのは当然なのです。
カタログの仕様表の記載の裏を読むということ、スペックを読むだけでなく、そのMFCに搭載されている技術に着目する事が、いかに重要であるかという事例ですね。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy
