真・MFC千夜一夜物語 第536夜  高圧でのアプリケーション その2

2026年09月29日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
高圧での流体制御アプリケーションに関してお話ししましょう。

<出展:ブロンコスト・ジャパン(株)>

まずはMFCの最大使用圧力と耐圧に関してお話しします。
MFCに関する圧力仕様で特に誤解されやすいのは、圧力定格と耐圧の関係です。
例えば「耐圧が1MPa仕様のMFCだから、そこまで供給圧を上げても動作する」という誤った認識をされているユーザーをたまに見かけます。
圧力定格とは「それを超える圧力で使用すると仕様を満たす動作が保証されない圧力上限」の事であり、それに対して耐圧は字のごとく「それを超える圧力で使用すると破壊される可能性がある圧力上限」という意味なので、取り違えてはいけません。

ここで少し脱線して海外メーカーの圧力定格に関して解説しておきます。
輸入品でよく見かける圧力定格にはCLASS(LB)とPN(bar)が使用されています。
CLASSは米国標準システムでの圧力レベルの識別であり、Class150または150LBおよび150#などで指定されています。
この数値が大きいほど、より高い圧力に対応するクラスであることを示します。
LBはラテン語のlibra(天秤)からとられています。
それに対してPNは公称圧力という意味で主にヨーロッパ系の標準システムDIN、EN、BS、ISOなどで使用されています。
1 barは14.5 psiまたは100キロパスカル(kPa)に相当します。
(ただし中国PNの単位はMPaであり、圧力差は最大10倍なので注意が必要です。)

圧力定格は文字通り「使用できる圧力上限」であるから、圧力容器についてのEC指令に基づくなら、適切な安全率を考慮した強度計算等で裏付けられている必要があります。

これらの表記には、過去にメーカーによって微妙な表記揺れが存在していました。
耐圧が最大動作圧力より高く定義されているメーカーもあれば、最大動作圧力の表記が無く、耐圧だけのメーカーもあったのです。
誤解して使用すると、配管施工した後で、MFCで流量制御ができないトラブルを起こしかねません。
カタログ表記もまちまちです。MFCの世界では毎年新製品が発売され、カタログが更新される訳ではないので、製品が発売された年代によって規格に関する認識に大きな差があることも原因の一つです。
昨今作成されたカタログ表記では、そういったばらつきは少なくなっています。
以前は圧力定格、最大使用圧力という表記が無いモデルが見られましたが、そのことによるユーザーの誤用を避けるため、正確に記載するメーカーが増えたのではないかとDecoは推測していて、よい傾向になったと思っています。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy

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