真・MFC千夜一夜物語 第533夜  APC vs MFC その5

2026年09月08日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
MFCの派生分野であるAutomatic Pressure Controller(以下APC)をに関しての解説を再び行っていきます。

APCと括った際に、今回ご説明していない分野の製品があります。
高真空チャンバーで反応を行う半導体製造装置で真空ポンプを用いて高い真空度まで排気を行う場合は、MFCタイプの流量制御バルブを搭載したタイプのAPCではなく、チャンバーに直付けされた真空計、バタフライタイプのバルブと圧力制御するコントロールボックスとの組み合わせで「APC」として使用されています。
MFCから派生したAPCとは形も構成も全く異なります。
この用途での圧力を測定するデバイスは、隔膜の変形で生じる静電容量変化で検出するキャパシタンスマノメータタイプの高分解能な真空計が必要であり、それをチャンバーに近接して取り付けること、MFC用の流量制御バルブではコンダクタンスを考えると圧力損失が大き過ぎることが理由です。

新世代のAPCとMFC

APCには大きな弱点があります。
それはAPCの一番大きな特長が「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御し、その制御した流量を送り込む、もしくは引き出す事で、結果として圧力を制御する」であることです。
APCは圧力をダイレクトに変化させている訳ではなく、背圧制御型ならば吐き出す、そして供給圧制御型なら送り込む流量を可変する事で結果として対象の圧力を変動させているのでしたね?
これはAutomatic Flow Controller として似通った動作をしているMFCと相互に干渉してしまうリスクをはらんでいるのです。
しかも同じラインにAPCとMFCを設置することは、MFC単独で設置する場合よりも当然コストとフットプリントを圧迫することになります。
そういったことを踏まえ、現在ではAPCとMFCの融合が進んでいます。

今までリリースされてきたAPCという製品の構成を図に示しました。
左上は一般的なMFCの流量センサーと流量制御バルブの制御を切り離し、流量センサーからはMFMとしての信号を取り出し、制御は外部の圧力センサーからの信号を受けて行うタイプで、MFCをマイナーチェンジでAPCとして開発されたものです。
左下は流量センサーの代わりに圧力センサーを配置して、一体型で圧力制御を行う一般的なタイプですね。

出典:タカノ株式会社

右上はAPCというより比例制御弁です。(写真参照)
圧力センサーやPID制御を行う制御基板はオミットされています。(中には外部信号を受けて制御を行う機能を有した製品もあります。)
これはフットプリント対策です。
そもそも圧力は、その求められる部位で測定するべきものですから、一体化することに意味がない場合が多く、これでいいじゃないか?となる構成です。
そして、右下が最近リリースされているAPCとMFMを一体化した製品です。
前述のコストとフットプリントの問題に対してのメーカー側からの提案と言えるでしょう。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy

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