真・MFC千夜一夜物語 第532夜 APC vs MFC その4
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
MFCの派生分野であるAutomatic Pressure Controller(以下APC)に関しての解説を再び行っていきます。
APCの目的(供給圧制/背圧制御)
APCはセンサーの位置で2種類に分類されます。
背圧制御型APCとは、APCから見た一次側(上流側)圧を制御するタイプです。

背圧制御というのは圧力制御を行う対象(チャンバー等)から見た場合の表現であり、機械式の一次圧調整器が背圧弁という名前でなじみがあるので、そう呼称する事が多いのです。
このタイプは圧力センサーが制御バルブの上流側にあり、一般的なMFCの流量センサーと制御バルブの並びと同じです。
圧力センサーがAPCより上流の圧力を測定しているので、上流側の圧力を一定にしたい場合に使用されます。
具体的にはチャンバーの排気系に使用される背圧制御、ある圧力で封入されるべきワークの排気側のガス抜きで使用されます。
後者の圧力封入用途は、前述の機械式手動背圧弁の自動化が目的であり、APCの出番としては危険個所や高圧配管で遠隔制御が必要な場合や、ログを残したい場合が挙げられます。
ある意味、フロート式流量計とMFCの使い分けに似ているかもしれませんね?
供給圧制御型とはAPCから見た二次側(下流側)の圧力制御を行うタイプの事を言います。
上流側から制御バルブ、圧力センサーという配置です。

このタイプは下流側の圧力を測定し、それを流入するガス流量を調整することで一定に保つように制御するので、供給圧制御型と呼称されています。
つまりラインレギュレーターのイメージです。
しかしながら、この用途の場合、少し気をつけなくてはいけないことがあります。
APCとMFCはどちらも流量を制御するバルブを備えています。
それが直列に並んで制御をしている場合を想像してください。

MFCが流量を流そうとしてバルブを開くと一時的にMFC上流=APCにとっての下流配管からガスが多く払い出されてしまうので、この部分の圧力が低下してしまいます。
圧力低下をAPCの圧力センサーが検知すると、当然APCのバルブを開くことでAPCの上流から不足している分のガスを流して圧力を回復させようとします。
APCとMFCの個々の役割分担が上手く作動している場合、つまり比較的設定流量、圧力が一定で圧力変化が少ない場合は良いのですが、(いや、そもそもそれならばAPCは必要ないでしょう・・・)そうでない場合、あるタイミングでMFCとAPCの自動制御がケンカを始めてしまうことがあるのです。
最悪はオシレーションを起こしたりして、延々と落ち着かなくなってしまうような状況に陥ってしまう事があります。
これは、両者が同じ流量制御する方式の制御バルブを使いながら、流量側はセンサーの応答速度が遅い熱式流量センサーと、圧力側は比較的応答の速い歪み検出型圧力センサーを搭載しているのが一因です。
実はこの問題は機械式ラインレギュレーターとMFCとの間でも起きます。
レギュレーターとMFCとの配管距離が極端に近く、MFCに払い出すガスのバッファが少ない場合に発生しやすくなるのです。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy
