真・MFC千夜一夜物語 第530夜  APC vs MFC その2

2026年08月18日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
MFCの派生分野であるAutomatic Pressure Controller(以下APC)に関しての解説を再び行っていきます。

APCとMFC、そしてレギュレーター

まずはAPCに関して再度解説をしましょう。
APCは構造的に見るとMFCの派生モデルであり、いわば兄弟のような関係です。

図の各々の機器の構成を見ればMFCの流量センサーを圧力センサーに変えたものがAPCであることがわかると思います。
MFCが「流体の流量を測定し、予め設定された流量値になるように制御バルブで流量を制御する」のに対して、APCは「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御する」のです。
ここでのポイントは、あくまでAPCは設定した圧力になるようよう制御バルブで流量を増減させた結果、圧力を制御しているということです。
「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御し、その制御した流量を送り込む、もしくは引き出す事で、結果として圧力を制御する」のがAPCという機器なのです。「流体の圧力を測定し、予め設定した圧力値にするのに必要な流量を出し入れする」機器とも言えます。
その為、APCに搭載されているバルブはMFCと同じ流量制御用のものです。
バルブ開度を調整すること=バルブでの圧力損失値を可変することで、流量を増減して結果的に圧力を作り出します。
APCがセンシングするのはあくまで圧力ですが、バルブが制御して生じるのはあくまで流量であるという点で、同じ圧力を調整する機器である調圧弁(レギュレーター)の弁構造とはかなり異なるのです。

レギュレーター(調圧弁)の構造、役割を正確に理解している人って案外少ないんだな・・・」、とDecoは講習会等でユーザーとお話ししていて感じています。
レギュレーターを自動化したのがAPC的な理解をしてしまっている事例が多いのです。
ここで一般的なレギュレーターの構造を解説しましょう。

レギュレーターは機械的な構造で、設定した圧力にガスの供給圧を保つ役割を果たします。ダイヤルとスプリングがあり、出口側の低圧部屋と、入口側の高圧部屋がダイヤフラムで隔てられて設置されています。
低圧部屋の圧力=大気圧+ダイヤルで設定されたスプリングの産み出す力というバランスを保っているのです。
何らかの理由で低圧部屋側の圧力が低下するとスプリングに押されてダイヤフラムに繋がる高圧側の部屋との間の弁が開き、流体が低圧部屋へ流れこむことで再び圧力を上げていきます。
圧力が上昇し当初のバランス状態が再現すると弁は閉じられます。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy

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