真・MFC千夜一夜物語 第527夜 MFM vs MFC その5
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
今回はMFM vs MFCと銘打って、直接対決といきましょう。

前述の通り決して万能ではない自動制御系故にMFCは応答上のオーバーシュート、外乱(一次圧変動)影響を受けた制御不良(図参照)、そしてフルスケールに対する最小制御流量のターンダウンレシオが1:50、よくても1:100程度であり、それ以下の小流量域では制御をあきらめなくてはならないという問題です。
特にこの最小流量制御時の安定性、応答性に関しては、ユーザーから稀にクレームとなることがあります。
「カタログでは1:50のターンダウンレシオつまり2-100%の流量を制御できるとあるが、実際2%設定流量で使ってみるとふらついているではないか!応答もなかなか安定しないではないか!」というものです。
特に分子量の大きなガスや逆に水素のように極端に軽いガスでこの現象は起きます。
デジタルMFCがデビューしてソフトウエアでは応答時定数を複数メモリーして、最適なものを使えるようになったとしても、流量制御バルブというハードウエアはある流量レンジに対して一つであり、どうしてもフルスケールの2%といった最小制御流量域での動作は、フルスケール近辺とは異なってくるのです。
そして、MFCのバルブは閉止バルブではないので、異物の嚙みこみ等での出流れが生じる可能性も考慮しないといけません。

図にあるように、出流れは制御最小流量を押し上げる方向に働きます。
本来半導体製造装置等では使用される流量を50%フルスケールあたりで想定して、MFCの仕様を決めているので、ここまで広い範囲で使用するプロセスは一部になるのですが、開発研究用の装置では、こういったMFCにとっては少し辛い条件で使用したいという要望が結構あるのです。
高圧条件や高温条件というハードな条件がそれに加わってくることもあり、なかなかに過酷だったりするのです。
こういった場合DecoはMFMとニードルバルブのような手動流量調整弁でのトライを提案したりしています。
手動調整弁とて制御範囲には限界があります。
だが、ここで人間の手でバルブ開度を調整するという手動制御の良さが生きてくるのです。
きわどいバルブ開度の微調整を熟練した人間が行うことで最適な開度に設定するというアナログな世界ですね。
ですが、これはあくまで何回か繰り返し性を確保できれば良いという実験レベルのことであって、展開される量産ラインで同じことをするわけにはいきません。
その場合、2台のMFCでラインを組むという方法もあるのですが・・・
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy
