真・MFC千夜一夜物語 第525夜 MFM vs MFC その3

2026年07月08日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
今回はMFM vs MFCと銘打って、直接対決といきましょう。

MFC対MFM+ニードルバルブ

流量を自動制御するMFCと手動制御のMFMとニードルバルブのコンビの戦いは、自動制御できるMFCの圧勝だと考えるのが一般的ではないでしょうか?
ニードルバルブの動作を、いささか乱暴に表現すると一般家庭にある水道の蛇口と同じようなものと言えます。
一般的にバルブと呼ばれるものが、開閉いずれかの動作のみなのに対して、バルブのハンドル回転量を可変させることで流量の増減調整することができるバルブを流量調整弁と呼んでいます。
ニードルバルブのような流量調整弁は手動制御です。
人間が流量計の指示値を目視で読みとり、目標とする流量との差を判断して、ニードルバルブの開度を調整します。
この時、ニードルを回しすぎると目標より多すぎたり、少なすぎたりしてしまうので、微調整を繰り返しながら希望の流量に到達させます。

MFCはこれと同じようなことを内部でやっているのです。
人が目で見て、頭で判断し、手で操作する過程を、MFCはそれぞれ流量センサー、調整計、比例制御バルブを使って行っています。
実はこの勝負、MFCの圧勝に終わらない時もあるのです。
それはクリティカルな流量制御の場でMFCのPID制御というか自動制御が仇になることが多いからです。
図で示すMFCの制御不良の内ハンチング、オーバーシュート、応答遅れはこの自動制御が原因といってよいのです。

ここではまず自動制御の要であるPID制御に関して解説しましょう。
MFCが搭載している調整計の用いる制御方法として、PID制御という単語をよく聞くかと思います。
だが、MFCにとってのPID制御という解説にはなかなか適切なものが無いようです。
大別すると、P動作:Proportional(比例動作) 、I動作:Integral(積分動作)D動作:Differential(微分動作)です。

ここではP→PI→PIDと順に制御を解説していきましょう。 
まずP制御とは、目標値と現在値との差に比例した操作量を調節する制御方式です。
ある範囲内のMVが、制御対象のPVの変化に応じて0~100%の間を連続的に変化させるように考えられた制御のことです。
通常、SVは帯の中心に置きます。
ON-OFF制御に比べて、ハンチングの小さい滑らかな制御が可能です。
SVとPVの差が大きければ加速度を上げてSVに接近させ、PVに近くなると徐々に加速度を下げる制御を行います。
このP制御でうまく制御できると良いのですが、SVにPVが近づくと問題が生じます。
それは操作量が小さくなりすぎた為に、これ以上細かく制御できない状態になってしまい、目標値にきわめて近い寄り添った状態で安定してしまう現象が起きるのです。

手動操作する場合は、その辺りを上手く微調整して、目標値ピッタリに合わせる事が可能なのですが、調節計を使って電気的にコントロールする場合、目標値との差(偏差)が小さくなりすぎると測定誤差の範囲内に収まってしまうために、これ以上追い込む制御が不可能になってしまうのです。
でも、MFCではそれは困るのです。
SVがフルスケール100SCCMに対して98SCCMでPVが安定した状態は、フルスケールに対して-2%の値で制御を良しとすることであり、通常のMFCに求められる流量制御の要求値からは大きく外れてしまうのでした。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy

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