真・MFC千夜一夜物語 第522夜 MACH ONEって知ってるかい? その7

2026年06月16日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
今回からはDeco個人の知識欲が動機となった題材で書かせてもらいます。

2003年に (株)堀場エステック(以下堀場エステック)はFuGasity Corporationの事業を買収し、圧力式フローコントローラー"CRITERION"シリーズの製造権、販売権、技術特許を取得しています。
"CRITERION"シリーズはラミナーフロー方式(堀場エステックは「層流粘性流域差圧検出方式」と呼称)であり、理論上高い精度での計測が可能でした。
この"CRITERION"シリーズはMFCの流量センサーをラミナーフロー方式に置き換え、流量制御はあくまで流量信号(PV)と設定信号(SV)を比較して、バルブ制御信号(MV)を可変するコンベンショナルな仕組みの圧力式フローコントローラーであり、その意味ではMACH ONEとは対極にあると言っていい製品でした。

それに対してMACH ONEの影響が感じられるのは、フジキンのFCS 第3世代やPIVOTAL SYSTEMS GFCシリーズではないでしょうか?
FCSは第2世代で臨界ノズルの下流に絶対圧センサーを追加する進化を果たしているが、第3世代では、ノズル上流に空圧弁を追加し、下流側圧力センサーは廃した構造を提案しています。

おそらくはALD/ALEといった高速応答、及流量制御バルブ下流側デットボリューム削減を意図し、彼らの理想とする"水道方式"に近づけた姿と考察できますが、この第3世代の流量制御方式は、MACH ONEの思想であった「流量測定結果から流量制御バルブを制御する従来のMFCと異なり、気体のピースをどれくらい積み上げるかでユーザーが必要とする流量を作り出す機器」の影響があるのではないかとDecoは解釈しています。

半導体製造装置向け圧力式フローコントローラーが世に出て四半世紀が経過しました。
この章ではその先駆け的な存在であったMACH ONEというユニークな存在の話をさせてもらいました。
数多くのMFCメーカーに関わってきたDecoですが、このMACH ONEには全くのノータッチで、手元には過去のカタログが一枚あるだけなのです。
後は当時の記憶です。
それなのにMACH ONEがなぜか気になる存在だったのは、関わらなかったことで満たされていない知識欲からなのかもしれません。

圧力式フローコントローラーの駆者たるフジキン、そしてラミナーフロー式流量センサー技術をM&Aで上手く取得した堀場エステックの2社が、大切に製品を熟成していった結果、現在開発されている10mmフォーマットのMFCでは圧力式は熱式とのシェアをひっくり返す存在にまで成長してます。
そういった圧力式開発の中で咲いたMACH ONEの功績は、決して仇花と侮れるものではなかったのかもしれません。
このブログを読まれた当時の事情に詳しい先達がおいでなら、是非詳細をDecoに教えて頂けたら・・・と思っています。
宜しくお願いします。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy


Share