真・MFC千夜一夜物語 第520夜 MACH ONEって知ってるかい? その5

2026年06月02日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
今章はDeco個人の知識欲が動機となった題材で書かせてもらいます。

ここでMACH ONEの当時の製品カタログに記載されていたものを引用します。
この英文を和訳すると "Mach One MFCは、ノズルを通る流量を2つの流量状態(流量0と臨界流量)の間で調整することで設定された流量を生成します。二つの状態間のオン/オフ時間比(パルス幅変調(PWM))を変化させることで、質量流量制御を実現します。言い換えれば、平均質量流量mは、ガスがノズルを通過している時間に比例するのです。"となります。
流速が固定される臨界状態が何秒続くかを積み上げれば流量を算出できるというものです。
つまりMACH ONEは流量測定結果から流量制御バルブを制御する従来のMFCと異なり、ビート板によるオンオフで作り出す臨界状態の気体のピースをどれくらい積み上げるかでユーザーが必要とする流量を作り出す=流量を作り出す機器と解釈すべきなのかもしれません。

その意味で同じくカタログに記載された図を引用します。
従来熱式MFCとの比較表でControl Strategy が"Feed Forward"と謳っているのは、それ故かともしれません。
ちなみにDecoはこれをフィードフォワード制御とは考えていません。
DecoはPI-MFCのように一次圧変動を圧力センサーが感知した際に、流量センサーが流量制御バルブに対して行っているフィードバック制御に介入することを流体制御でのフィードフォワード制御と表現しています。
あくまでフィードバック制御を補完するのがフィードフォワード制御だという理解です。

さて、連載の中で"MACH ONEは仇花"という表現を使ったのは、開発者に対して失礼であったかもしれません。
ただ、MACH ONEはただの仇花では終わらなかったと、Decoは理解しています。
今の時代から振り返ると、この発想はのちのプロセス、特にALD等のガス制御に影響を与えたと言えると思います。
詳しくは次回、圧力式フローコントローラー開発の歴史を追いながらお話ししましょう。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy

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