真・MFC千夜一夜物語 第515夜 それはMFCでやるのは無理ですよ その6
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
「マスフロー(MFMとMFC)でこういうシステムを組んだが上手く動かない!」というユーザーからの声に対して、「それはちょっと無理ですが・・・」とDecoが答えた事例を紹介します。(取り上げる事例は、筆者の経験のある事例のいくつかを組み合わせて、解説しやすいようにアレンジした架空のものです。)
今回の事例での顧客要求は「ガスをチャンバーに導入し、所定時間内にある圧力値まで上昇させて停止させたい。圧力はランプ制御である時間で比例的に圧力を上げるのが条件。」というものでした。
これに対してエンジニアリング会社の若い技術者が考えたのは図に示すような簡単な機器構成でした。

この架空のフローに対して、以下の4点から意図した制御は難しいという指摘をしてきました。
① MFCは流量を制御するのであり、圧力制御は行っていない
② MFCの流量制御バルブではガスの完全閉止はできない(しかもガスは水素)
③ 流入するガスの温度にチャンバーの圧力上昇カーブは影響される
⑤ そもそもMFCではランプ制御はできない
最後に「Decoさん、ケチばっかりつけてないでどうしたらよいのか教えてよ!」という声に対して一つの案を提示して終わりにします。

今回の事例はユーザーの依頼内容の全てをMFCだけで実現しようとしたことがトラブル原因です。
こういったMFCへの理解が浅い故に起きるトラブルは多く、力まかせの機器構成を組んでも、顧客要求を満たせるシステムは決して出来上がりません。
問題点を確認したうえで、修正するなら図のような圧力センサー+流量センサー+比例制御弁を組み合わせた特殊なモジュールを検討するのがいいかもしれません。
こういう回答にはいくつもの解があります。
そして一番大事なのは顧客の予算です。
「ここまでやるお金はないんだけど、やりたい!やらなければいけない!」といった難しい案件は結構多いのです。
そういった時にDecoはよく「ひとまずMFCでの自動制御をやめましょう!」と提案します。
この提案は量産装置では難しいのですが、実験装置では"あり"です。
ひとまず手動制御のニードルバルブ等でやっておいて、あとから予算が付いたらその自動化を行う。
その為にはあまりMFCという形にこだわらない形の提案が必要になります。
タカノ(株)さんの作っておられる比例制御弁はそういった需要に最適ですので、ご紹介しておきます。

比例制御弁 出典:タカノ(株)
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy
