真・MFC千夜一夜物語 第360話 流量と圧力制御は同時にはできませんよ! その1

2022年04月19日

本ブログの第132夜~133夜でMFCのライバルは?VS APCという解説をしました。
APCとはオートマチックプレッシャーコントローラー (Automatic Pressure Controller)という圧力センサーで測定した信号をベースに、流量制御バルブを可変させて、結果として圧力を制御する機器の事です。

MFC=マスフローコントローラ(Mass Flow Controller)が、流量センサーで測定した流量信号をベースに、流量制御バルブを可変させて、流量制御する機器であり、両者は似て非なるものという解説を行いました。

しかしながら、その後、PI-MFCとか圧力式フローコントローラーといった製品が世の中に出回った為に、混乱しておられるユーザーさんが多いように見受けます。

先日もこのような質問を頂きました。
「1台で圧力と流量で同時に制御ができる製品を紹介して欲しい。」

確かに先日ご紹介したブロンコストの新製品"FLEXI-FLOW"はマルチセンサーを搭載しており、流量/圧力/温度を測定できます。

他にもMKSさんのPI-MFCはファームウエアの切り替えでAPCにすることもできるようです。でも、間違えてははいけないのは・・・「流量や圧力はセンサーを積めば測定して出力できますが、制御はどちらかでしかできません。」という事です。

流量制御と圧力制御を切り替える事はある条件内ならば可能です。
ここで言うある条件とは、MFCやAPCに搭載された流量制御バルブのKv値(Cv値)と分解能が許容する範囲内でという意味です。

なぜ同時にできないのか?
答は簡単です。
制御バルブは、流量?それとも圧力?一体どちらの指示を聞けばいいのか?わからなくなってしまうからなんですね。

以前ご説明したこの図と同じことが、一台の機器の中で起きてしまうからなのです・・・

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan