真・MFC千夜一夜物語 第332話 MFCの健康診断 その1

2021年03月30日

Decoは心不全からの合併症で正月明けから37日間の入院生活を送りました。
病床で「やっぱり適度な周期での健康診断は受けないとだめだな・・・特に忙しい時ほど、受けておくべきだったなぁ。」と思いました。
マスフローコントローラー(MFC)マスフローメーター(MFM)も同じです。
定期的な健康診断は、マスフロー(MFCとMFMの総称)が機械ものである限り、怠ってはいけません。

では、マスフローの健康診断はどこで受けたらいいのでしょうか?まずは生みの親であるマスフローメーカーですね!
メーカー時代のDecoの話ですが、たまにお客様から
「他社のMFCだが、流量が正常に制御できているか、診てくれないか?」と真顔でお願されたことがありました。

さすがにこれはダメです。

確かにメーカーの工場には、流量を測るツールはありますし、工具もそろっていますが、それらはあくまで自社製品を保守する為に維持している設備・工具であって、他社製品に対して用いる事は、色んな意味で不可です。
そもそも手元の工具で分解できるのかも、設計が異なればわかりませんし、電源、信号系が適応しているのか?(特にデジタル通信の場合、同じフィールドバス対応でも、社内調整設備はRS485やRS232Cの自社プロトコルで動作させている製品もあります。)
好意で受けた他社品の校正で流量校正原器を汚染させてしまったら、もう目も当てられませんし・・・

「自動車の場合、メーカーが異なっても点検を受けてくれるじゃないか!」としつこく(失礼!)食い下がれらたこともありましたが、「いや、自動車のような、どこにでかけて故障するかわからないツールと違って、マスフローは設備の部品ですから・・・」とご説明した記憶も残っています。

はい、なのでマスフローの健康診断は、まずは製造元に送り返して、やってもらいましょうと言うのが、原則だと憶えておいてください。

【除染告知書の一例 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】

そして、メーカーに出す際は、必ずパージを念入りに行い、除染済みであることを証明する書類(除染告知書)があれば、それをきちんと添えて送ってくださいね。

何度か繰り返しお願いしていますが、除染がきっちり行われていない製品や、どういった流体を流したかの履歴を正確に連絡されていない製品をサービスに送り返されると、受け入れ側で最悪死人が出るような大事故が起きるかもしれないのです・・・

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan