マスフローの進化とグレード【MFC豆知識】

2020年06月09日

このブログでは、マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラ(MFC)を総称してマスフローと呼称しています。
この定義は基本的に質量流量計である熱式流量センサーを搭載したモデルの事を指します。

それ以外の方式の場合、コリオリ式マスフロー、圧力式マスフロー(圧力式流量計は体積流量計なので、おかしな表現ですが・・・)という呼称で差別化しています。
さて、マスフローのメイン市場は半導体製造装置だというお話は何度かしてきていると思います。
最盛期はMFCの80%が半導体製造装置向け(SEMI向けと呼称)だったこともあるくらいです。

上図は、SEMI向けMFCの世代分類です。
と、言っても公式な設定は無い(筈です)ので、Decoが便宜上作った分類です。
SEMI向けのMFCの進化は凄まじいのがあり、第6世代まで様々な技術開発競争が行われてきています。
これは質量流量制御器としてのMFCの基本性能に関わるものもあれば、MFCが組み込まれる装置側からの要求フォーマットに適応したものもあります。
高速応答、デジタル制御、MGMRは前者、IGS、フィールドバス、PIは後者になります。
こういったSEMI向けで開発された各種技術は、SEMIの裾野分野(液晶、太陽光、蒸着)から、そこまでクリーンでなくても良い一般産業用途向けマスフローにも影響を呼ぼしていきます。 

上の図の中段、グリーンの枠がそうですね。
その下の紫の枠が流量計全般の用途である各種一般産業用途 FA用であり、熱式MEMSセンサーを搭載した比較的安価なMFM等が好まれるカテゴリーなのと一線を引いた存在なのです。

【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan