真・MFC千夜一夜物語 第510夜 それはMFCでやるのは無理ですよ その1
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
今回から「マスフロー(MFMとMFC)でこういうシステムを組んだが上手く動かない!」というユーザーからの声に対して、「それはちょっと無理ですが・・・」とDecoが答えた事例を紹介します。
*取り上げる事例は、Decoが経験した事例のいくつかを組み合わせて、解説しやすいようにアレンジした架空のものである事を最初にお断りしておきます。
マスフロー、特にMFCは便利な流量制御ユニットではすが、決して万能なツールではありません。
その特性を知っていれば、この用法は無理だと理解できるのですが、マイナーな機器であること、そして販売に携わる人間の知識不足でトラブルに至ることは、今でもあります。
現場に招聘されたマスフロー探偵Decoは、溜息交じりにこの用法がいかに理に適っていないかを解説することになるのです。
事例)MFCでガスを充填したい
Decoが遭遇した中でも多いのが、ユーザーの全ての要求事項をMFCだけで実現しようとしたガス制御系でのトラブルです。
この時の顧客の要求は「ガスをチャンバーに導入し、所定時間内にある圧力値まで上昇させて停止させたい。圧力はランプ制御である時間で比例的に圧力を上げるのが条件。」というものでした。これをエンジニアリング会社の若い技術者が受けてしまったのです。
彼が考えたのは図に示すような簡単な機器構成でした。

これでできたら苦労はないよ、と言いたくなるような、全てをMFCに任せた豪快なフローです。
問題点がどこかということから指摘していきましょう。
① MFCは流量を制御するのであり、圧力制御は行っていない
② MFCの流量制御バルブではガスの完全閉止はできない(しかもガスは水素)
③ 流入するガスの温度にチャンバーの圧力上昇カーブは影響される
④ そもそもMFCではランプ制御はできない
次週から順番になぜMFCに任せてはだめなのかを解説していきましょう。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan & Safe TechnoloGy
