真・MFC千夜一夜物語 第502話 再度マスフローの弱点を語りましょう その10

2026年01月20日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
本ブログの最初の方でお話ししたマスフロー(MFMとMFC)の弱点解説をリニューアルしていきます。

マスフローの温度補償に関して、大部分のマスフローは流体の温度を測定せず、マスフローのボディや基板の温度を測定していることが多く、それが故に周囲温度と流体温度が一致しない場合に流量誤差トラブルを起こすというお話です。
では、どうすればこういった問題を解決できるのでしょうか?
ガス温を直接測って、温度補正できるマスフローが開発されない限り、当面は運用方法で解決するしかないのです。
「マスフローに繋がるガスラインの温度管理を徹底する」が現実的な解です。
ガスラインの温度管理は、常温常圧では液体になるような低蒸気圧ガス等の場合、再液化を防ぐためにヒーティングなどを行っている例がありますが、通常の不活性ガスの場合はまずそんな温調管理はされていないはずです。
それはヒーター設置コストが原因です。
そこでもっと簡単にできる方法を考えてみると、外気に晒された環境ではなく、あくまで室内環境の下なら、ある程度条件を固定することで対応できます。

最低限空調設備のある居室で使用する

空調設備から吹きだした冷温風がマスフローと配管ラインに吹きかからないようにする

冷媒や発熱体の近くを配管が通らないようにする

屋外のボンベからガスを導入している場合は、配管ラインを長く取って室温に馴染ませるか、熱交換器を設ける(図にあるように屋外で冷えたガスがいきなりMFCに入らないようにする。)

ガスの供給圧力を不必要に高く設定しない=絞り部分での断熱膨張による温度低下を避ける

熱交換器は大仰なものではなく、それこそスパイラルに巻いた配管でいいのです。
要は距離を稼ぎたいのですから。
何より「マスフローは、ガス温度と周囲温度を同じになるように使わないといけない」という、マスフロー最大の弱点の存在を認識頂くだけでも、対応は変わってくるはずです。どんな計測機器にも苦手とする条件があります。
理解不足から、そういった環境で機器を使ってしまう事が一番の問題なのですね。

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