真・MFC千夜一夜物語 第500話 再度マスフローの弱点を語りましょう その8

2025年12月09日

本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
本ブログもとうとう連載500回に至りました。
"千夜一夜物語にちなんで1001回で最終回にするかな?"という冗談を言いながら始めましたが、Deco自身もまさかここまで書き続けられるとは思っていませんでした。
これは全て読者の方々のご声援のおかげです。
今後とも真・MFC千夜一夜物語を宜しくお願いいたします。

さて、本題へ参りましょう。
本ブログの最初の方でお話ししたマスフロー(MFMとMFC)の弱点解説をリニューアルしていきます。

今回はマスフローのセンサー温度とマスフローを通過する流体温度とのモデルでお話します。
これは特定のメーカーのセンサー方式を説明したものではなく、概念説明のために簡略化や、数値を都合良く加工している事を予めお断りしておきます。
マスフローの熱式流量センサー部に仮に100℃に加熱したヒーターがあったとしましょう。
この流量センサーに100℃の流体が触れても同温だから、当然熱移動は起きません。
つまり100℃の流量センサーに100℃の流体を流しても、そのマスフローからの流量出力は0になる筈です。
今度は0℃の流体を流してみます。
温度差は100℃あるから、大きな流量出力となります。

これをモデルにしてみると上図になります。
このマスフローセンサーの温度特性は、0℃を100%としたとき、-1%/℃の傾きで温度による影響受けると表現できます。
10℃流体温度が上がるだけで、流量センサーの出力は-10%になる・・・このままでは当然マスフローセンサー=質量流量センサーを名乗ることはできません。
そこで温度補正というセンサーの生出力に対する補正を入れます。

常温域、25℃をセンターとしたマスフローで一般的な使用温度範囲に補正をかけると、上図のようなモデルになります。
ここでは25℃より低い温度では、センサー出力は大きく出るので下げる補正を、逆にそれより高い温度では上げる補正をかけています。
このモデルで示す平坦化した範囲が、温度保証範囲 例えば25℃±10℃ というスペックの部分です。
この温度補正はセンサーに流れる流体の温度を正確に捉えさえすれば正常に働くはずです。
逆に言えば、この補正のベースとなる流体温度を正確に測れていなかったら、補正した結果は大変怪しくなるということなのです。

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