パルス出力のマスフローはありませんか?
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
1年で数件ですが・・・「マスフローでパルス出力のものが欲しい」とお客様から言ってこられることがあります。
マスフロー(MFM&MFC)でメジャーなのは電圧信号0-5VDCだったり、電流信号4-20mAだったり、ここ10年はModbus等のデジタルネットワーク対応だったりするのですが、このパルス出力というのが、意外に難問だったりします。
なぜならマスフローでパルス出力モデルは流量センサーの原理上、あまり意味がないからです。
パルス出力をお求めのお客様のお話をよく聞くと、だいたい容積式やタービン式流量計をお使いになっていた経験からのものです。
下にタービン式の一つである羽根車式流量計の原理を図示してみました。

流路にある羽根車が1回転することで1パルス出力されます。
その1回転あたりの流量×パルス数で積算流量が求められる仕組みです。
ここでお判りかもしれませんね?つまりパルス出力は積算流量計向きの出力で、瞬時流量計である熱式やコリオリ式とはあまり縁がないのです。
でも、どうしてもパルス出力が欲しい!とおっしゃる場合、瞬時流量計では面倒なことをする必要が出てきます。
瞬時流量から積算流量を算出して、あらかじめ決めた流量単位でパルス信号が出るような仕組みを考えなくてはいけないからですね。
その機能をデジタルで内部で算出するもモデルもあります。
ですが、先ほどお話ししましたようにそもそも瞬時流量計の瞬時流量出力から算出した積算流量をパルスにするという遠回りな機能を搭載したメーカーはあまりありません。
そういった時は、Decoは(株)ユーアイニクスさんのアナログ表示器SP5631をお勧めしています。

SP5631はW96×H48mmサイズ、アナログ入力タイプの瞬時積算計です。
瞬時/積算どちらの流量表示にも対応しています。
流量計から4-20mA信号を受けて、内部で積算流量を算出してくれますし、その積算流量表示の1degit分を積算パルス信号として外部に出力可能です。
マスフローからの信号をパルス信号に置き換えて積算流量管理を希望される方は、ご検討されてみてはいかがでしょうか?
でも、最後にもう一度言います。
マスフローは瞬時流量計です。
その瞬時流量出力から積算流量を算出して、あらかじめ決めた流量単位でパルス信号が出るようにするとういうことは、本来の積算流量計よりいささか遠回りをしていることになります。
前からDecoは申し上げていますね?「マスフローの積算流量は目安ですよ」と・・・
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