プロセス圧力コントローラー P-800シリーズ その1
APC(Automatic Pressure Controller)には背圧制御型と供給圧制御型が存在しています。
ブロンコスト(Bronkhorst High-Tech B.V.)にはEL-PRESS/IN-PRESSシリーズで、供給圧制御型APCの P-600シリーズ、背圧制御型の P-700シリーズがあり、今までも数多くの実績があります。
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
ただ、残念ながらAPCには一つの大きな弱点があります。
それはこのタイプのMFCの構造を流用したAPCが「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御し、その制御した流量を送り込む、もしくは引き出す事で、結果として圧力を制御する」という特性の製品だからです。
つまりこの種のAPCは圧力をダイレクトに変化させている訳ではなく、背圧制御型ならば吐き出す、そして供給圧制御型なら送り込む流量を可変する事で結果として対象となるチャンバー等の圧力を変動させているのです。
もし入口のみで出口がない容器、つまり袋小路のワークであった場合、APCから送り込まれた流量が過大であった場合、封入された圧力は設定圧力を超えて、二度と下げる事は出来なくなってしまいます。その為、一般的にはポンプ等で積極的にチャンバーを排気するプロセスもあれば、若干与圧に保つべく機械的な絞りを設けた排気系を設けるようないわゆる出口を用意する事になります。
ここで供給圧制御型P-600と背圧制御型のP-700でチャンバーを挟んで対峙させる構造にしないのは、双方の圧力制御が干渉しないように双方の制御定数をセッティングしなくてはいけません。
こういったAPCの持つジレンマを解消し、供給圧制御と背圧制御を両立させて常にプロセスチャンバーを設定した圧力で安定させる新しいAPCが、ブロンコストが開発したプロセス圧力コントローラーP-800シリーズなのです。
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
なにやら今までのMFCやAPCとは異なる不思議な形をしていますね?
このプロセス圧力コントローラー P-800シリーズ
詳細は次回お話ししましょう。
ここでもう一押し by EZ-Japan Deco