真・MFC千夜一夜物語 第409話 マスフローとアンモニア その6

2023年08月29日

マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラー(MFC)で流量測定や流量制御を行う流体でも最近注目度が高いのは水素とアンモニア(NH3)だと思います。
水素に関しては第176夜と177夜で解説をさせてもらいましたので、今回はアンモニアのお話をさせて頂きます。

今回はアンモニアを液体で流量制御する事例でコリオリ式流量計を使用する事例です。
コリオリ式流量計の測定原理には、同じ質量流量計である熱式流量計の定圧比熱のような流体の物性に関わるものが一切含まれていません。

これは「コリオリ式は流体を選ばず質量流量を測定できる」という事を意味しており、流量計として画期的なポイントとなっています。
質量流量計と言いながら、流体種を特定できないと、流量測定ができない熱式流量計と比べて物性の不明確な状態でも流体を質量で流量測定できるコリオリ式流量計の汎用性の高さは限りなく高いのです。なぜならば流体固有の物性に左右されないという事は、熱式流量計が直面するコンバージョンファクターの揺らぎによる実流量不安という問題から一気に開放されるからなのです。
これにより気化後の安定性も大きく変わってきます。
今までの熱式液体マスフローでの気化では、問題が生じた差に液体マスフローの問題か?気化器の問題か?が切り分けられずに液相から気相に転じた際の流量保証に悩むシーンが多かったのですが、コリオリでバシっと質量流量で液体流量を押さえてしまえば、後は気化器の気化効率向上で全ては解決してしまうのです。

このコリオリ式マスフローを用いて、液体でのアンモニア流量制御を行う事例を紹介しましょう。
ブロンコスト(Bronkhorst High-Tech B.V.)コリオリ式マスフローmini CORI-FLOWシリーズのM13でフルスケール2kg/h、M14ではフルスケール30kg/h 、M15では300kg/hのアンモニアの流量測定が可能になります。
これに流量制御バルブを組み合わせる事で流量制御も可能です。
ブロンコストのMFMはPID制御回路を内蔵しているので、流量制御バルブに対して制御信号を送る事ができます。

もちろんどんな圧力条件でも必ずという事は無いのですが、この機能を利用する事で多くの選択肢の中から最適なサイズのバルブを選定する事が可能となり、高圧での液体アンモニアの流量制御を行うことができるのです。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan