真・MFC千夜一夜物語 第404話 マスフローとアンモニア その1

2023年06月13日

マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラー(MFC)で流量測定や流量制御を行う流体で最近注目度が高いのは、水素とアンモニア(NH3)ではないでしょうか?
水素に関しては第176夜と第177夜で解説をさせてもらいましたので、今回からはアンモニアのお話をさせて頂きます。

アンモニアは燃やしても二酸化炭素を排出しないので、石炭や天然ガスと置き換えることで、大幅な二酸化炭素の排出削減が期待されているガスです。
アンモニアそのものは天然ガスからハーバー・ボッシュ法(Haber–Bosch process)で製造されています。
ハーバー・ボッシュ法は、鉄を主体とした触媒上で水素と窒素を 400~600℃、200~1000気圧の超臨界流体状態で直接反応させ、以下の化学反応式によってアンモニアを生産します。

このハーバー・ボッシュ法とは、20世紀の人口増を支えた大発見とまで言われてます。
(1918年「元素からのアンモニア合成法の開発」によりドイツのフリッツ・ハーバー(Fritz Haber)はノーベル化学賞を受賞しています。)
その水素を作る過程で、天然ガス(CH4)を使用する事から、アンモニアは完全なカーボンフリーではないという指摘もありました。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 HP

そこで天然ガスの代替で再生可能エネルギーを用いて電気分解での製造が実用化されていくことになります。
これによりアンモニアは完全にカーボンフリーの燃料と呼ぶことができる材料となれるのです。
では、そのアンモニアの流量を測定し、制御するにはどうしたらいいのでしょうか?

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan