FLEXI-FLOW Compact を使ってみませんか?

2023年04月11日

ブロンコスト(Bronkhorst HIGH-TEC.B.V.  日本法人はブロンコスト・ジャパン(株))が昨年発表した製品 FLEXI-FLOW Compact は大変面白い製品です。

出展:ブロンコスト・ジャパン(株) 日本語訳:EZ-Japan

特にこのマスフローの面白いところは、MEMSで作られた流量センサー、TCS(Trough Chip Sensor)Technology バイパスフローセンサーという巻線型とMEMS型を融合した新型センサーを積んでいます。
巻線型センサーの器差の原因であったニクロム線を巻いたセンサーから脱却し、従来培ってきた分流構造でのブロンコストのバイパスに関わるノウハウを活かし、広いレンジで高い精度、繰り返し性を維持できるセンサー技術です。

ただでさえ高性能なこのTCSバイパスフローセンサーに加えて、FLEXI-FLOW Compactは更に小型圧力センサーを搭載しています。
この二種のセンサーを搭載する事で、「圧力制御をしながら、流量値をモニターする。もしくは流量制御をしながら、圧力値をモニターする。」という二つの機能をデジタル通信を通じて、リアルタイムで切り替えて運用する事ができるのです。

MFC(Mass Flow Controller)とAPC (Automatic Pressure Controller)は本来別個の製品です。
APCと呼称されている機器は、MFCの機器構成を利用してセンサーを圧力センサーの置き換えたものがほとんどです。
以下に分類して覚えておくとわかりやすいかと思います。

「圧力センサーからの圧力信号と設定した圧力値とを比較し、流量制御バルブを制御した結果、圧力を調整するのがAPC」

「流量センサーからの流量信号と設定した流量値とを比較し、流量制御バルブを制御した結果、流量を調整するのがMFC」

このAPCとMFCはケンカが絶えません。
なぜならどちらも流量制御バルブを使って流量を制御しようとするからです。
流量を制御した結果として圧力を制御するAPCは、制御バルブの構成がMFCと同じなので、Kv値の異なるMFCを2台直列につないで、更に異なる流量値に制御しようとしているのとあまり変わらない結果になってしまうのです。
最悪はお互いが流量の増減を繰り返して、ハンチングを起こすような現象が続いてしまうことになります。

MFCとAPCをニコイチにしてしまえるFLEXI-FLOW Compact!
下の写真のように従来MFCと比べてもコンパクトな外観に似合わない優れものです。
是非お試し下さい。

ただ、一言加えておきますと、FLEXI-FLOW Compactはデジタル通信専用機になります。
つまりアナログ0-5VDC等で制御することはできません。
なぜなら流量センサーと圧力センサー、そして流量制御バルブを組み合わせて使用するにはアナログ信号はもう情報量が不足してしまっているんですね。

EZ-Japan "Deco""こと 黒田 誠