MFCの納期ってこんなにかかってたっけ?
はい、久しぶりのマスフロー徒然日記です。
日頃は技術的なお話をメインで、皆様のお悩みにお応えしてきましたが、新型コロナ感染症以降のここ数年、皆さんを悩ませている問題はお手元のマスフローのゼロドリフトよりも、新規発注分の納期ですよね?
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
以前はマスフローコントローラー(MFC)の納期は4~8週間くらいでした。
半導体投資が盛んになるとそれが倍くらいになったりして・・・
そもそもMFCはガス、流量、継手等を指定頂いて製造する受注生産品なので、これは仕方ないかなぁというところなのですが・・・
ところが最近のMFCの納期は、そんなレベルではありません。
「受注後24週間です。」
と回答して「まだ早いね。」とお客様に返されるくらいなのです。
24週間=半年ですが、下手すると7 or 8か月、仕様によっては1年を超えるパターンもあるのです。
「Decoさん、最近のMFCの納期はなぜこんなに長いの?」
こういった問い合わせを頂きます。
まず、トリガーとなったのは、皆様もニュースで見聞きされている半導体、電子部品不足です。
MFCはブロック、継手、バルブのような機械部品とセンサー、基板のような電気部品で構成されています。
その為、多種多様な部品をストックしておかなければなりません。
特に電子部品は調達された部品状態では意味が無いので、業者さんにお願いして基板に実装してもらって納品されます。
まずはここが止まってしまったのです。
MFCに必要な多種多様な電子部品の一つでもショートすれば基板の実装はできません。
これが不幸の始まりだったのですが、更に今度は基板や配線コネクターに用いる樹脂部品(絶縁用)も入らなくなってしまいました。
MFCで良く使用されているD-sub9コネクターが欠品しているというのは、Decoも初めての経験でした。
MFCの基板だけでなく、このコネクターが入らないが為に接続ケーブルも入ってこないという現象も起きてしまいました。
更に表示設定器も電子部品のショートで納期がかるようになってしまったものもあります。つまりMFCは電気、機械様々な部品で構成されていたことが、アダとなったのです。
これがMFCだけの長納期化でしたら、マスフローメーカーの営業さんも精神的にやられてしまったでしょうが、不幸なことに装置側でMFCを制御するPLC等の機器や、とうとうリレーまでも入ってこない状態になってしまったので、そこまでのことは無かったのですが、やはりお客様に申し訳ないなぁという気持ちで営業を続けるのは辛いものだと思います。
メーカー部材の確保に努力していますし、部品メーカー、材料メーカーさんも同様だと思います。
あとしばらく・・・等と根拠のない気休めを申し上げても仕方ないので、今後しばらくは今の納期が続く事を前提にMFCの導入や、メンテナンスの計画を立てて頂ければと思います。
本当にお客様にはご迷惑をお掛けしておりますが、何卒よろしくお願いいたします。
マスフロー徒然日記 by EZ-Japan Deco