真・MFC千夜一夜物語 第373話 コリオリ式マスフローの良さが認知されてきました その1

2022年09月13日

マスフローメーター(以下MFM)、マスフローコントローラー(以下MFC、MFMやMFCの総称としてマスフロー) の中で、究極の質量流量計としてDeco推しておりますコリオリ式マスフローが最近日本でもようやくブレイクし始めました。

サスティナブルを標榜するこの社会に於いて、コリオリ式マスフローのアプリケーションは大きく拡がっています。
例えば人類の存続に欠かせぬ医薬用途です。
製薬ラインでのブロンコスト(Bronkhorst High-Tech. B.V.)mini CORI-FLOWシリーズが大々的に採用されています。
この分野では最新の材料を、微細かつ精密流量制御して、常に一定の添加量を維持して薬を製造する必要があり、それをコリオリ式マスフローが担っているのです。

コリオリ式MFM+ポンプシステム例 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)

コリオリ式MFMとポンプを組み合わせたシステムは、四季の移り変わりによる環境温度変化やタンクの残液量に影響を受けず質量流量で制御が可能です。
ロードセルで測るのと同等以上の精度で投入する液体の質量での管理が可能になります。
しかも、あくまで流し込んだ結果を測るロードセルより、投入する過程で質量流量で測定するこの方式の方がスループットは向上します。

もちろんコリオリ式ですので、流す流体の種類に影響を受けません。
つまり生産工程で品種に応じて添加する液種をスイッチする場合も、システムの再校正の必要はなく、短時間でセットアップが可能なのです。

今回から"完全な質量流量計"であるコリオリ式の測定原理と特長の再解説と、それを用いたポンプの回転数制御というアプリケーションを説明していきたいと思います。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan