真・MFC千夜一夜物語 第364話 ダウンサイジングこそ技術革新の証です その1
2022年06月14日
今回からはマスフローメーター(MFM)、マスフローコントローラー(MFC、MFMとMFCをマスフローと総称。) のダウンサイジングの歴史に関して解説していきましょう。
今回はあくまで流量レンジが20SLMより小さい気体用小流量レンジに限ります。
なぜならマスフローは数ml/minレベルから10,000m3/hを超える気体を対象としており、大流量レンジを守備範囲とするマスフローは、自ずとそれだけの流量を流せる配管径にサイズを左右されてしまうからです。
同じメーカーのマスフローでも小流量から大流量までそのサイズは大きく異なります。
ここに液体用を加えると更に複雑になってしまうので今回はオミットしましょう。
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
例えば上の写真はブロンコストのEL-FLOWと先日発表されたFLEXI-FLOW Compactの比較ですが、同じメーカーの気体用微小流量向けMFCでも、十数年でこんなにダウンサイジングできてしまったのです。
しかも、これだけのサイズ差があっても性能面では、流量レンジ・圧力定格を除けば遜色は無いのですから驚きますね。
気体用小流量のマスフローに限定するとなると、その主戦場は半導体製造装置を始めとする真空装置、そして分析装置向けのマスフローとなり、奇しくもそこはマスフロー、特にMFCのメインマーケットとなります。
と、言う事は、マスフローのダウンサイジングそのものの流れを追う事で、マスフローメーカーの技術革新をある程度捉える事ができると思いませんか?
と、いう事で、次回はマスフローの標準サイズがどれだけで、ダウンサイジングでどこまで小さくなるのか?をお話ししましょう。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan